前回ブログで、メインバザールで初インド飯をリベンジしてほろ酔い気分でホテルに帰った私たちは、シャワーの冷たさに酔いもすっかり覚めて、ヒーヒー言いながら眠りに就いたのであります…。
メインバザール2日目、ビハール州のコロニーに向かうのは明日ということで、今日はデリー観光でも楽しんじゃおう!!ということで、私たちはまずは腹ごしらえに朝食を食べに向かった。

もちろん、フードリーダーかじこの采配が今日も冴えわたる。
「今日の朝は、ここに行こう!!」
そう言ってかじこが指を指したのは、Green Chilli(グリーン・チリ)というインド料理屋だった。
ここはメインバザールの右奥の方にある口コミでもかなり評判のお店だった。
「よっしゃ、行こう!!」
身支度をして、私たちは出掛けた。
着いたのがここ。

このお店は、カレーが本当に美味しいらしく、私たちはブランチだね、とか言いながら、朝からヘビーにカレーを2種類とチキンティッカ、チーズナン、スープとすごい量を頼んだ。
カレーは、ほうれん草カレーとエッグカレーにした。
もう、これがたまらなく美味だった。
ほうれん草カレーは、なかにチーズが入っていて、チーズナンと一緒に、チーズonチーズみたいなわけわかんない状態で、贅沢に食べた。
「うまーいぃぃぃーーーー!!!」
なんか、それしか言ってなかったんじゃないかっていうぐらい食べまくった。
もう、お店を出る頃にはお腹たぷたぷで、動けない、ギブ、ギブ!!って、意味わかんないこと言いながらも、観光に繰り出した。
観光に繰り出した私たちは、今後の渡航のためにも、まずはデリーの観光局に行って、いろんな情報を仕入れようということで、地図を広げた。
地図上で見ると、メインバザールから南の方に行くとコンノートプレイスというショッピング街があって、それを少し越えたところに観光局があるということだった。
「歩いて行けそうじゃない?」
「いや、歩いたら20分ぐらいかかるんじゃない??」
そんなことを話しているうちにニューデリー駅に着いた。
「よし、トゥクトゥクに乗って行かない??」
トゥクトゥクというのは、インドの三輪タクシーのことで、リキシャ―がエンジンで走るようになったみたいなものなので、別名オートリキシャ―とも言う。
そうだね、乗って行こう!!
ということになり、
オートリキシャ―がいっぱい停まっているところで、おじさんに声を掛けた。
「あの〜、私たち、この観光局まで行きたいんですけど、いくらで乗せてもらえますか?」
おじさんは地図をひったくって、マジマジと見た。
「500ルピー」
……!!!!
絶対、うそ。
SILFからここまでのタクシーで300ルピーぐらいしかかかっていないのに、そんなにかかるわけない。
もう、どのおじさんに聞いても、コンノートプレイス付近までは300〜500ルピーの間の金額だった。
そんなわけあるか??
ここに至るタクシー代を考えると、到底納得のいく金額ではなかった。
このままこの炎天下の中、無装備のまま20分以上の道のりを歩いていくべきか、完全に私たちの足元を見ているおっさんたちの要求を呑むべきか…。
私たちは、ニューデリー駅の前で、どうするべきか迷っていた。
私たちの意見も割れて、暑さでイライラし始めたその時だった。
ニューデリー駅の門のところにいたターバンの男が近付いて来て話し掛けてきた。
「君たちどこに行きたいの?」
「インドの観光局です」
かじこが答えた。
「インドの観光局に行くなら、絶対トゥクトゥクで行くべきだよ。観光局は14時で閉まっちゃうから歩いて行っても間に合わないよ」
時計を見ると、13時半だった。
でも、地球の歩き方には、観光局は16時まで開いていると書いてあった。
うそくせぇ〜。
もう、ゆずると私の意見は一致していた。
なぜなら、前日の夜、観光するために『地球の歩き方』を熟読していた私たちは、ニューデリー駅付近にいるターバンの詐欺師に気を付けろ!という記事を読んでいた。
そのターバンの詐欺師は、あることないこと言って説得して信頼させてお金巻き取るのだけど、その辺のトゥクトゥクやタクシーと結託していて、カモ客を流してはマージンを取っているという話だった。
もう、ここはニューデリー駅だし、こいつはターバンだし。
状況がピッタリ過ぎて、ゆずると私は、かじこに目で「無視して行こう!」と促した。
けど、かじこはターバンとめっちゃ話し出した。
いやいや、かじこ、もう私はそいつを1ミリも信用できない境地にいる。
さあ、無視して行こう!
私たちが歩き掛けてもかじこはずっとターバンと話し込んで動かなかった。
少し歩いたところで待っていると、かじこが走ってきた。
「ねぇ、あの人すごく良い人だよ!」
「私は信頼できると思うよ!」
人を信じる純真無垢なかじこがいた。
だが、私とゆずるはもう、ターバンよりもバイブル(地球の歩き方)に厚き信頼を置いていた。
例え、犬山のアルペンアイベックスといえども、英語ができようとも、ここはかじこの勘に信頼を置く場面ではなかった。
「かじこ、この辺りは詐欺師が多いって地球の歩き方にも書いてあったし、かじこの気持ちもわかるけど、信頼できないよ」
「私はあの人と話して詐欺師じゃないって思ったよ。今日は、インド観光局は早く閉まっちゃう日なんだって。もし、歩いて行って間に合わなかったら意味ないから、あのおじさんの言う通り、トゥクトゥクで行こうよ。安いトゥクトゥクを紹介してくれるって」
「いや、かじこ、詐欺師って信頼させるのが仕事だから!あの人を信頼できるっていう根拠がないよ」
私は、暑さのイライラも相まってかじこに強めに返した。
「そうかなぁ、私はそうは思わないけど…、聞くだけならタダなんだし」
と、モメモメしていると、
数メートル先にいたターバンが背後にゅっと現れた。
「うわっ!!」
「ぐずぐずしていると間に合わないから、私の知り合いのトゥクトゥクを紹介するから乗りなさい!」
驚いている私たちを無視して、ターバンは強引にトゥクトゥクのところまで連れていった。
それは私たちがさっき話し掛けて、500ルピーと吹っかけてきた男だった。
「もう、歩いて行こう!!」
私は、その男の話も聞かず、足早に歩き始めた。
ゆずるもその後を追ってきて、かじこがそれに続いた。
ターバンの男は何か叫んでいたけど、無視した。
道すがら、3人とも沈黙だった。
みんな、各々の理由で気分が沈んでいたんだと思う。
今思えば、他愛もないことなのかもしれないけれど、インドが初めての私たちは、こんな小さな出来事にビクついたり、モメたりしていた。
今の私だったら、ターバンの話を最後まで聞いて、正当な値段を言って値下げ交渉してやるんだけどね。笑
もう、ここから観光詐欺(リキシャ―やトゥクトゥク、タクシーが提携しているお店まで観光客を連れて行って土産物を買わせる詐欺)までやられたらという不安から、私は強硬な態度に出てしまったのだ。
かじこのポテンシャルが高いのは私も認めるところだけれど、その当時の私は、インド渡航歴2回目(かじこは個人旅行でインドに来たことがある)でデリーに来るのは初めてのかじこを信用して冒険するよりも、バイブル(地球の歩き方)を信じて安パイな方を取りたいというチキン心が勝ってしまった…、
ごめんよ、かじこ。
と、まあ、沈黙の中、歩き始めたのだけど、
暑い…。
とにかく、暑い…。
もう、さっき500ルピー払ってトゥクトゥクに乗ってたら良かったんじゃないかな…って、思うくらい暑い…。
たぶん、みんな同じ気持ちだったと思う。
私の強硬な態度のせいで歩くハメになって、2人ともイライラしてるだろうな…と、暑さと後悔で余計、心が沈み掛けていたとき、
「歩くのも楽しいな!!」
バカみたいにゆずるが言い始めた。
「そうだね!違った景色が見れるし!」
かじこが乗っかった。
「でも、あちーな!!あの地図、うそだろ、全然コンノートプレイス見えてこねーな!」
そう言って、ゆずるがゲラゲラ笑った。
あぁ、良いやつらだなって、心から思った。
そこからは一転、暑いけど、楽しい道のりになった。
あーでもない、こーでもないと、どうでもいい話をしているうちにコンノートプレイスに着いた。
おぉー、ここがコンノートプレイス!!
このコンノートプレイス、大きな円形をした大きなモールで、その円形のモールにたくさんのお店がひしめき合っているのだけど、メインバザールみたいに屋台とか安い雑貨店ではなく、小奇麗なハイソなお店ばかりが立ち並んでいる。
マックやケンタッキーなどもここにある。
私たちが行った時期は、コンノートプレイスの大掛かりな改修工事をしている最中で、通れる道に制限があったり、工事の関係で一時閉店にしているお店もあった。
ちなみに余談だけど、この2年後の2012年にデリーを訪れたときもまだ工事が終わっていなくて、改修工事がバカみたいに長引いていると聞いた。
ある人の話だと、改修工事の見積もりややり方が杜撰で、全然進まないのだとか…。
インドっぽいなと苦笑いした記憶がある。
今はキレイになったのだろうか…、今度デリーに行くときはぜひ行ってみようと思う。
さてさて、そんなかんじで、コンノートプレイスに到着した私たちだけど、私たちのゴールはここではなくて、この円形のビッグモールの裏側の先にある観光局を目指しているのだ。
このコンノートプレイスをぐるっと迂回して行くより、まっすぐ突っ切って進む方がいいんじゃないかっていうことで、コンノートプレイスをぶらぶら歩きながら、観光局を目指した。
最初はコンノートプレイスをキョロキョロ楽しく見ていたけど、もう、途中から飽きて、歩けど、歩けど、着かない。工事中だから通れない道があって戻らなきゃいけなくて、結局、途中から迂回することになったり…、コンノートプレイスを出た頃には、疲労困憊だった。
それでも、よし、歩くかって、なって、頑張って、観光局を目指した。
けど、歩けど、歩けど、観光局にたどり着かない…。
もう、通り過ぎたんじゃないかっていう疑いも出てきて、足と体力もそろそろ限界だよー!ってなってきたから、その辺にいる人に聞いてみた。
「すぐそこだよ。10分くらい歩けば着くよ」
あと、10分…!!!
愕然とした。
この炎天下の中、1分ですら歩く体力は残っていないのに、あと10分…。
レストランを出発したときから考えたら、かれこれ、1時間半近く炎天下の歩いていることになる。
もう、誰だったか忘れたけど、誰かが言い出した。
「インド観光局…、もう行かなくていいんじゃない?」
あとの2人も、頷いた。
やったー!!解放されたー!!
もっと早く誰かが言ってくれれば良かったのに。
そもそも、何で観光局は補足的な訪問だったはずなのに、今日の最大の目的みたいになってて、すげーバカじゃん!!
そんな気持ちが3人の中から一気に沸き出した。
観光局に行くという目的不明のミッションから解放された私たちは、とにかく、暑さと疲れを癒そうと、コンノートプレイスのフードコートに入った。
エネルギー充電中の私たち。笑
どんな時だって任務を忘れないフードリーダーかじこ。

バイブル(地球の歩き方)を真剣に読み直す私。

シェイクにはしゃぐゆずる。

と、まあ、フル充電をした私たちは、いざ、帰らん!!と、コンノートプレイスをはしゃぎながら帰路に就いた。
え?お前たち、何をしにコンノートプレイスに来たんだよ!って?
えっと、私たちにもわかりません。笑
帰り道は、楽しかった。
もう、道も知っているし、何より帰るだけというシンプルなミッションなので、何も考えることがなかった。
あー、あのワゴンかわいいね!
アイスクリームやさんだって!
わー、アイス食べたいー!!
もう、やりたい放題。

コンノートプレイスを出ると、今度こそトゥクトゥクに乗ろう!ということで、路肩に停まっているおっさんに話し掛けた。
「メインバザールまでいくらですかー?」
「200ルピー」
「いいじゃーん!もう乗っちゃおうよ!!」
ということで、疲れていた私たちは値下げ交渉もせず、トゥクトゥクに飛び乗った。
初トゥクトゥクーーーー!!!
いぇーーーい!!!
あんなに苦労して歩いた道のりを、風を切って走るのは本当に爽快だった。
私はリキシャ―よりも、タクシーよりも、このトゥクトゥクが一番好きになった。
リキシャ―より速いし、タクシーより風を感じられて気持ちがいい。
数時間前に、うつむいてたのはどこへやら。
テンションが上がりまくる私たち。笑


颯爽と走ってるかんじ伝わるでしょうか?笑
トゥクトゥクで一気に駆け抜けてメインバザールまで戻ってきた私たちは、やっと帰ってきたよ、ただいまー!って、もう、2日目にしてメインバザールの雑然とした感じにマイホームのような安心感を覚えていた。
やっぱり私たちにはハイソなものより、庶民派だね!なんて言いながら、メインバザールの良さを噛みしめながら歩いた。
ホテルに帰る前に飲み物を買おうということになり、ホテルを通り過ぎて、スーパーまで行って買い物して、ぶらぶらしながらホテルに戻った私たち…、
その帰り道で見つけたのがこれ!!

そう、ラッシー屋さん!!
ラッシーは、ダヒーというヨーグルトをベースにしたインドの伝統的な飲み物なんだけど、お店によってその作り方は様々ある。
このお店はメインバザールでも有名なラッシー屋さんで、美味しいと評判らしい。(フードリーダーかじこ調べ)
ここのラッシーは、ヨーグルト、ミルク、氷 フルーツを入れてミキサーにかけてシェイクしてくれるタイプだった。
それぞれ好きな味を頼んで、作っているのを眺めていた。
ヨーグルトにたかるハエ。
バケツに入った汚そうな氷。
炎天下の中、放置されている果物。
お兄さんの洗ってなさそうな手。
いろんなものが目に入ったけど、もう、見ないことにした。
だって、作っているお兄さんが100%の笑顔で楽しそうだったから。
理由になっていないけど、そういうことにしておこう。

「ほらよ、できたよ!」
できあがったラッシーを恐る恐る飲んだ。
「美味しいぃーーーーーーっ!!!!」
冷たくて、甘くて、ヨーグルトとフルーツが濃厚で、最高だった。
きっと、いろんなエキスが加わってこの美味しさになったのだろう。
そういうことにしておこう。
この日を境に下痢になった私たちだけど、それはきっと疲れからくるものだろう。
そういうことにしておこう。
そして、ラッシーに満足した私たちは鼻歌まじりにホテルに戻ったのであります…。
つづく〜。
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